敷地は新宿都心部周辺の代々木エリアに位置し、人の往来や交通量の多い道路に面している。また面積は65坪程度と比較的狭く、ビル用地としては不整形であり、有効なオフィスレンタブル比の確保やフレキシブルなオフィスレイアウトをいかに実現するかが求められた。
まず、全体計画としてオフィス空間を可能な限り広く確保するために、外壁に厚みをもたせるように外壁と一体化した壁面収納を提案。また、壁面収納の奥行きを利用し、オフィスへの日射遮蔽機能や視線の遮断機能を活かしたエンベロープ(外皮)を計画した。外壁と一体化された収納とすることにより、ゆったりとしたオフィス空間が可能となり、またフレキシブルな空間を実現している。この建物の外観を成している散りばめられたモザイク窓と外壁パネルは、内外ともに一体となってユニークなファサード(立面)を形成することとなった。
私たちは、環境問題を解決することはデザインとしても成立するということを形にしていきたいと考えている。具体的な計画としては、共用部を可能な限りコンパクトにまとめ、オフィス空間を広く確保し、OAフロア、システム間仕切り、什器等のオフィスレイアウトが自由にできるような計画としている。
空調換気設備については、床吹出し口の移設が可能な可変式床吹出し空調を採用し、使う人にも優しい計画に。また、可動のロールバックスタンドにより、講座や説明会、展示等の多様な用途にフレキシブルに対応できる計画としている。