この新市民会館の計画は、中越沖地震によって大きな被害を受けた旧市民会館の機能を移転し、新たに建設するというものであった。
敷地は、JR柏崎駅前の日本石油加工跡地であり、柏崎市の顔となるような位置にある。敷地の南面や西面は公園が整備される予定であり、都市の防災や避難場所としての機能を有している。
このプロポーザルでは、都市における新市民会館のあり方が求められ、都市基盤施設整備の一環として位置付けられており、都市防災の拠点、市民活動の拠点として新しい市民ホールのあり方が求められた。
私たちは、まちの中心として柏崎市で「最も光溢れる場所」をつくることが、まちの「シビックプライド(civic pride)形成の核」となり、文化芸術活動や創造活動を通じて、市民のまちづくりへの参加意識が高まり、いきいきとしたまちを創造することができるのではないかと考えた。
具体的なプランとしては、中央に配置したホールを包み込むようにホワイエやロビー、多目的ホール等の市民活動のための空間を配置し、またその外周をいつでも市民が利用できる「市民アーケード」という半屋外空間を計画し、地域の各種イベント、祭り、バザー、散歩空間等の日常的な賑わいの創出や市民共有の場所となるよう提案した。
また、光溢れる空間を創出するために、構造体の壁を「折り曲げる」ことによって三角錐フレームをつくり、光をたくさん取り入れる方法を提案している。この三角錐フレームは、XYどちらの方向においても耐震要素として期待できるということから構造的にも有効である。
このプロポーザルは、1月22日に第一次提案書を柏崎市に提出、一次審査を通過してファイナリストとして5者に選定された。そして、2月15日の公開ヒアリングプレゼンテーションを行った結果、惜しくも最優秀は逃したが「佳作入賞」となった。