「さまざまな人と活動が交錯する都市のような美術館」
設計コンセプトは、【さまざまな人と活動が交錯する都市のような美術館】。誰もが気軽に訪れ、学び、くつろぎ、愉しみ、触発され、そして発信する、いわば「都市空間」のような美術館である。印象的な黒いボリュームは建物内に立体的に計画された「パッサージュ」によってくり抜かれ、展示室はもちろんのこと、その大きな吹き抜け空間も市民が美術と触れ合うためにデザインされている。芝生広場と一体となって計画された「パッサージュ」は、昼夜問わず賑わうパブリックスペースとして人々を迎え入れるであろう。
全体の構成として、メインエントランスを2階に据え、展示室へはパッサージュを貫くエスカレーターでアクセスする。常設展示室と企画展示室は各々4階5階に計画、一筆書きの展示動線を回り切り、再びエスカレーターで2階へと降りてくる動線計画となっている。また隣接する道路際にはカフェやレストランなどを配置。豊かな植栽帯を抱えたオープンテラスは周囲の公共空間に賑わいを創出させることとなろう。また2階の歩行者デッキにより近隣施設への良好なアクセスも確保。街の回遊性や賑わいを創出し、中之島に新たな人の流れをもたらすものと期待している。