せっかくなので自分のこれまでとこれからについて考えてみることにしました。
まず、建築を志した原点ですかね。きっかけとかそういうことではなく、生きる道として考えるようになってからのことです。都市というものへの興味が強かったのですが、都市計画のように上から大きな枠組みを決めるのではなく、「ひとつの建築と、その周辺へのアプローチ」によって、そこに佇む人のふるまいが変わり、地域が生き生きと動き出す。(どちらが先でも良いと思っています)そんな具体的な実践を通してまちを展開していきたいと考え、本格的に建築の道へ進んだんだと今思えば感じます。
建築としてその可能性を最もダイレクトに追求できる環境を探していた中で、「公共建築」という領域に出会い、遠藤克彦建築研究所の門戸をたたき20年弱の月日が経っていました。
日頃からあらゆる物事を「建築設計に携わる人間」の視点で思考するよう心掛けていますが、私のこの環境に対する捉え方の土台には、これまでの生い立ちとライフワークが深く影響しているように思っています。
まずは生まれ育った山口県宇部市という港まちです。母方の家業が潜水士だったこともあり、幼少期から海と密接に関わる生活を送っていました。夏休みは船で沖に出て泳いだり、船上から花火大会を見上げたり。漠然と(その時は意識してはいなかったと思いますが)「大きな海(環境)の中で、自分はどう立ち振る舞うか」を五感で無意識に覚えていた経験が、現在の私の空間に対するスケール感の原点になっているのかなと思いました。笑
もう一つ切っても切れないものとして、小学校から大学の部活、そして今もで続けている(観戦/実践共に)サッカーというスポーツです。小学校のサッカークラブでの生活の中で自然と建築と出会っていたということもありますが、サッカー自体の「ピッチ全体というマクロな環境を俯瞰しながら、個々がどう連動して局面を動かすか」という感覚(私自身実際は自己中心的なプレーが多かったように思いますが)は、都市における建築のあり方にそのまま地続きで繋がっているとも言える気がしています。
さらに日常では、ヘビなどの爬虫類たちと暮らしています。これについてはかなりこじつけがましい(正当化?)ですが、彼らが小さな生態系の中で見せる緻密な美しさや表情、動き(身のこなし)は、空間の細部における「設え」を検証する上での豊かなインスピレーションとなっていると思うようにします。笑
20年弱というキャリア(まだまだ若輩者ですが)を経た今も、変わらず持ち続けているものは「人やまち、そしていのちが躍動する場を自分の建築としてつくりたい」という純粋な欲です。これからも自由で大きく深い視点を持って、考え続けることを大切に日々建築とその周辺に向き合っていきたいですね。